日本一の米職人 ふるかわ農園の田植えに参加 – 1

ふるかわ農園 古川勝幸さん

2016年5月21日、福島県郡山市で米栽培に取り組む古川勝幸さんの田植え作業に参加してきました。

日本一の米職人 古川勝幸

古川さんは、毎年開催される日本(世界)一の新米品評会「・食味分析鑑定コンクール」(主催:・食味鑑定士協会)において、総合部門の金賞を5回獲得した米栽培のスペシャリスト。
コンクールで、5回連続して入賞し、そのうち金賞を3回以上受賞すると与えられる「ダイヤモンド褒賞」を2009年に授賞。ダイヤモンド褒賞の受賞は2015年までで8名しか受賞していない狭き門で、しかも5年連続の金賞受賞というのは古川さんのみという、全国屈指の米作り名人なのです。

米・食味コンクール 分析資料

<写真:米・食味分析鑑定コンクール 分析資料>

米・食味分析鑑定コンクールでは、まず2回の予選で機械を使った米の点数評価が出されます。栽培部門別や、都道府県対抗などこまかく部門が分かれていますが、もっとも競合が多く、評価が厳しいのが総合部門。純粋なお米の評価のみで全てが決します。
2回の予選で高得点を得たお米は最終審査に進出。最終審査ではお米を同条件で炊飯し、30名の審査員による官能審査(試食投票)で評価を決します。

縁あって古川さんの田植えに参加するのも今回で3回目。日頃の怠けた体に活を入れる毎年の恒例行事になりつつあります。

安全を追って行きついた漢方未来農法と放射能問題

古川さんの米作り最大の特徴は、漢方の力を借りていること。農薬は一切使用せず、漢方未来資材を使用して環境を整え、生態系の複雑な多様性を生み出すことで稲自体が生き生きと健全な生育をするようにしています。稲と稲の間隔を広めにとって通気性をよくするなど、収穫量を増やす施策とは逆行する取り組みをしているので、面積当たりの収穫量は非常に少なくなります。「何よりも安全な食べ物を作りたかった。」というのが古川さんの想い。安全を追求して行きついた漢方未来栽培が結果として味の向上にもつながったというのは大変興味深くもあります。

一般的な稲作では、10a(約1000平米)当たり約9俵(平成26年全国平均530kg)の収量が得られますが、古川さんの漢方栽培では6俵程度しか収穫量はありません。一方で、投入する肥料や漢方資材は最高級のものを使用。「惜しみなく良い資材を使うからこそ美味しいお米が育つんだ。」というのが古川さんの持論。面積当たりに使う資材代は優に10万円を超えます。玄米の全銘柄平均価格が12,162円/俵(平成26年11月)なので、収量6俵だと普通に販売すると72,972円の売上にしかなりません。資材で10万円の投資というのには古川さんの自信と覚悟を感じられます。

現在では、福島県産というネガティブな面はあるものの、行政の全袋検査だけでなく、独自にも検査機関で安全性を確認。食味の良さからお客様がついているため前向きな生産ができていますが、漢方栽培に取り組んだ当初3年間は大赤字。周りの農家からもとんでもない事に手を出していると色眼鏡で見られていたと、過去の苦労話はつきません。
東日本大震災を切っ掛けに発生した放射能問題は、古川さんの経営にも大打撃を与えました。「事故発生前に納品していたお米でさえも販売中止になってしまった。」と悔しさがにじみます。生産の先行きが見えない中、講師として指導に来てして欲しいという依頼や田んぼを用意するので移住して欲しいという依頼の声を多く頂きました。しかし、最終的な決断は、「地元を捨てることはできない」でした。悲観的なニュースであふれる中でも、農業再開に向けた準備を開始します。独自に検査機関に依頼した自己の田んぼの検査結果では、周囲よりもはるかに低い数値しか検出されず、生態系を大事に、微生物を生かした土作りをしてきたことが数値結果として帰ってきたのかもしれないと、丁寧な土作りをしてきた田んぼからの恩返しもありました。

半信半疑で収穫した事故後のお米の検査結果は基準値を大きく下回り全項目で不検出。それでも消費不振から事故前のような販売は難しい状況でしたが、安全性が客観的に評価されたことで大手百貨店との取引が決定。事故前は問屋を通じた一括販売が主でしたが、商品のこだわり、特徴、安全性、栽培の思いを伝えるための直接販売に出荷形態をシフト。何とか生活できる程度までは回復してきました。
2015年には新たな田んぼを確保して栽培規模拡大に着手するなど、事故を乗り越え、漢方未来米で新たな未来を切り開いています。

<つづく>

漢方米 苗

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